自然科学書出版  近未来社
since 1992
 
    自然災害(地盤災害)
千木良雅弘 著
  高レベル放射性廃棄物
   処分場の立地選定
千木良雅弘 著

  災害地質学ノート
大八木規夫 著
  増補版/地すべり地形判読法
千木良雅弘 著
  写真に見る 地質と災害
千木良雅弘 著
  深層崩壊
千木良雅弘 著
  崩壊の場所
千木良雅弘 著
  群発する崩壊
石田 毅 著
  岩盤破壊音の科学
千木良雅弘 著
  風化と崩壊

    自然災害(地震災害)
金折裕司 著
  断層地震の連鎖
飯尾能久 著
  内陸地震なぜ起こるのか?
金折裕司 著
  山口県の活断層
長尾年恭 著
  地震予知研究の新展開
金折裕司 著
  活断層系
力武常次 著
  予知と前兆
金折裕司 著
  断層列島
金折裕司 著
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    水災害(土木工学)
高橋 保 著
  洪水の水理
高橋 保 著
  土砂流出現象と土砂害対策
高橋 保 著
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    地球科学(地質学)
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   ダイナミック地層学
吉田英一 著
  球状コンクリーションの科学

ノンテクトニック断層研究会/編著

  ノンテクトニック断層
吉田英一 著
  地層処分
服部 勇 著
  チャート・珪質堆積物
林 愛明 著/訳
  地震の化石
青野宏美 著
  地質のフィールド解析法
吉田英一 著
  地下環境機能
佐藤 正 著
  地質構造解析20講
中嶋 悟 著
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    水工学(地下水学)
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  自然地下水調査法
渡辺邦夫 著
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  大学をリシャッフルする


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深川昌弘 著
  上手な本の作り方 Q&A
深川昌弘 著
  これからの自費出版−虎の巻−
千木良 雅弘(深田地質研究所/理事長・京都大学名誉教授)著
崩壊の場所 −大規模崩壊の発生場所予測−
Site characteristics of gigantic landslides
A5判上製・256頁 定価 3,562円(税込) 
ISBN978-4-906431-26-7〔初版発行日/2007.10.2〕
 〈近未来科学ライブラリー・シリーズ Vol. 11〉
Key Words  雨と地震・衛星写真と空中写真・大規模崩壊・崩壊の前兆・褶曲と座屈と崩壊・
2004年新潟県中越地震・2005年パキスタン北部地震・航空レーザースキャナ

From the text
 本書では,深く,大規模な崩壊および急激な動きの地すべりを対象として,その発生場所予測に迫ることにする。ここで,「崩壊」は斜面の移動物質が急速に移動して途中で分解し,また,発生源から大部分移動してしまう現象を指し,「地すべり」は移動物質がすべり面の上を塊としてすべり,移動後も塊の状態を保っているような現象を指すことにする。そのため,両者は必ずしも明確に分かれない場合もある。地すべりも移動地塊が移動途中で分解して崩壊に移り変わり,広い範囲に被害を与えることはしばしば見られることである。これはしばしば崩壊性地すべり(あるいは地すべり性崩壊)と呼ばれる。
 本書で対象とする「崩壊」は,このような崩壊と崩壊性地すべり,および急速な動きの地すべりを包含したものである。ここでは,おおよそ10万
m3以上の体積のものを大規模と考えて述べていく。言い換えると,100m×100m×10m程度以上のものを大規模と一応考える。なお,1980年のSt. Helens火山の崩壊がそうであったように,火山体は本書で述べるものよりもはるかに巨大なスケールで崩壊することがあるが,それらはたいていの場合火山活動と密接に関係している。本書ではこのような崩壊は対象としない。 

 まえがき

<第1章> 雨と地震と写真と地図
  雨
  地震
  衛星写真
  空中写真
  地形図と地質図
  地すべり地形分布図

<第2章> 雨で崩れた火山岩 −2003年水俣・菱刈豪雨−
  雨
  第一印象と作業仮説
  水俣市宝川内集地区
  ・地質と地形,崩壊の概要
  ・崩壊の形状と地質
  ・崩壊のすべり面
  ・崩壊発生のメカニズム
  ・前兆は検出可能であったかどうか
  ・近傍の崩壊
  鹿児島県菱刈町大山口地区
  背景となった水理地質構造(透水/不透水)

<第3章> 雨で崩れた古い堆積岩 −2004年三重県宮川村豪雨−
  雨
  断層に挟まれていた裏山−里中
  最大の崩壊−春日谷
  その他
  まとめ

<第4章> 地形の発達と大規模崩壊 −2005年宮崎県耳川豪雨−
  災害の発生と調査にいたるまで
  雨と5つの大規模崩壊
  論文と図・写真
  小断層と崩壊
  斜面の向きと光
  層理面と小断層
  衝上断層沿いに並んだ崩壊
  最大の崩壊
  地形の発達と崩壊の場所

<第5章> 雨で大きく崩れる場所はどこか?
  生い立ちの違う岩石は分けて考える
  堆積岩・変成岩
  崩壊の前兆
  ぽってりした地形
  火山岩

<第6章> 甚大な地震山地災害 −1999年台湾集集(チーチー)地震
  ・調査の開始
  ・集集地震
  ・一夜にして真っ白になった山
  ・地震による崩壊と雨による崩壊との発生場のちがい
  ・膨大な数の崩壊
  褶曲と座屈と崩壊−九分二山
  ・地形と地質
  ・すべり面と座屈
  ・発生場所は予測できたか?
  地層の傾斜は14°−草嶺
  ・地質条件
  ・地形−前兆が現れていた
  ・すべり面の形成と風化

<第7章> 地すべり地帯をおそった地震 −2004年新潟県中越地震−
  2004年新潟県中越地震
  震源地帯の地質と地形
  地すべり密集地帯
  地すべり・崩壊のタイプ
  地すべりダム−繰り返す歴史
  ・東竹沢
  ・すべり面上の沈殿物が示すもの
  ・寺野
  ・池谷
  変な形の最大規模の地すべり
  水平移動の地すべり
  すべり面はどこにできた?
  ・凝灰岩層にできたすべり面(白岩南方−横渡)
  ・シルト岩と上に載る砂岩との境
  ・砂岩泥岩の互層
  ・酸化フロントの下の溶解帯(油夫,尼谷地)
  雨後の地震−谷の堆積物の流動化
  座屈から発達した崩壊
  表層崩壊や亀裂

<第8章> 活断層・地震断層と崩壊 −2005年パキスタン北部地震−
  はじめに
  地質と地形の概要
  活断層と地震断層と崩壊
  ダンベの大規模崩壊
  ・地質と堆積物
  ・地形
  ・ダムの決壊は?
  そのほかの地すべり・崩壊
  地質時代の大規模地すべり
  表層崩壊と亀裂

<第9章> 地震ではどこが大きく崩れるのか?
  断層との相対的位置と岩質
  既存の地すべりと斜面の下部切断
  地震による初生的な大規模崩壊
  地震による岩盤の傷とキャップロック
  雨と地震の相乗効果
  その他

<第10章> 地形調査の革命児 −航空レーザースキャナ−
  航空レーザースキャナ
  森の中が見える
  色々な画像
  驚くべき地表の変形じわ
  長池

 あとがき

  雨のあとの地震
  地質屋の独り言
  国の研究機関の責務
  災害研究に求められるもの
  情報の少ない海外での調査
  帰納と演繹と博物学
  発展途上国への協力と援助
  途上国の研究者
  漢字圏とアルファベット圏の地名表示
  地すべりか崩壊か

 謝 辞
 参考文献

【著者略歴】
千木良 雅弘 (ちぎら まさひろ)
1955年
1978年
1980年
1981年〜1997年
1997年〜2020年


2020年3月

2020年4月
2020年7月〜
群馬県生まれ
東京大学理学部卒業,
同大学院修士課程修了,
(財)電力中央研究所勤務.
京都大学防災研究所(地盤災害部門・山地災害環境研究分野)教授,京都大学大学院理学研究科地球惑星科学専攻教員を兼ねる.
京都大学防災研究所(地盤災害部門・山地災害環境研究分野)を定年退官
公益財団法人 深田地質研究所 常勤理事に就任.
公益財団法人 深田地質研究所 代表理事・理事長に就任.
現在に至る。
平成22年度〜平成25年度 日本応用地質学会 会長を歴任.

専 攻 応用地質学
(論文) 「岩盤クリープによる岩石の長期的重力変形」により1987年理学博士(東京大学)他論文多数
(受賞) ○「結晶片岩の岩盤クリープ(その1,2)」により1986年に日本応用地質学会学会賞を受賞
○「泥岩の化学的風化−新潟県更新統灰爪層の例−」により1989年に日本地質学会研究奨励賞を受賞
○深層崩壊の準備過程と発生場所予測に関する研究により,平成29年度科学技術分野の文部科学大臣表彰科学技術賞を受賞
著 書 『風化と崩壊』(1995年,近未来社)
『災害地質学入門』(1998年,近未来社)−改題新版により絶版
『群発する崩壊』(2002年,近未来社)
『崩壊の場所』(2007年,近未来社)
『深層崩壊』(2013年,近未来社)
『写真に見る 地質と災害』(2016年,近未来社)
『災害地質学ノート』(2018年,近未来社)
共 書 島崎英彦,新藤静男,吉田鎮男編『放射性廃棄物と地質科学−地層処分の現状と課題−』(1995年,東京大学出版会,共著)


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