自然科学書出版  近未来社
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    自然災害(地盤災害)
千木良雅弘 著
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   処分場の立地選定
千木良雅弘 著

  災害地質学ノート
大八木規夫 著
  増補版/地すべり地形判読法
千木良雅弘 著
  写真に見る 地質と災害
千木良雅弘 著
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千木良雅弘 著
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千木良雅弘 著
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千木良 雅弘(深田地質研究所/理事長・京都大学名誉教授)著
写真に見る 地質と災害 −応用地質の見方・考え方−
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Geology and geohazards seen photographs
-How to see and how to think geohazards in applied geology-
菊判(フルカラー並製)・232頁 定価 3,630円(税込)
ISBN978-4-906431-46-5〔初版発行日/2016.5.8〕
Key Words  集団移動・地中の水・雨・土石流・川の侵食・氷河・川から海へ・海・
風の働き・地質の構造・火山・地中の熱・地震・風化

From the text
 本書のタイトルにある地質災害は,広く考えれば,地球で起こる様々な地質現象によって引き起こされる災害をすべて含みます。ここでは,地震活動そのものや火山活動そのものは扱いませんが,それらの現象や降水によって引き起こされる岩石や未固結物質の移動に伴って生じる災害を地質災害として扱います。地震活動や火山活動については,2008年に東京大学地震研究所から出版された『地震・津波と火山の事典』に詳述されています。地球の内部と動きから始まり,地震とは何か,地震動,津波,火山とは何か,および火山噴火にかかわる諸現象について,丁寧に語られ,これらに関する正確な知識を身につけられるように構成されています。そのまえがきに,「結局のところ,日本人の大部分は中学校の1年生でならった地震や火山についての知識を更新することなく社会人になるのである。(中略)本書は地震,津波,火山に関する基本的な知識を一般的な人々に身につけてもらうことを目的に作られた」とあります。一方で,地震と火山に関しては,学術審議会から国への「建議」があり,それに基づいて着実 な研究が進められているのです。それに対して,地すべりや山崩れに代表される地質災害や豪雨,洪水,暴風などの災害に対しては,火山や地震におとらず大切であるにもかかわらず,研究面や教育面の扱いは十分とは言えません。(後略)

 まえがき

<第1章> 山を崩す
  〔1〕集団移動と地崩れ
  〔2〕落石
  〔3〕安息角
  〔4〕山体の重力変形−赤崩−
  〔5〕山体の重力変形−赤崩の中身−
  〔6〕岩盤の変形
  〔7〕山体の変形−山頂の陥没−
  〔8〕岩盤の変形−台湾小林村−
  〔9〕不規則な凹凸
  〔10〕深層崩壊の前兆
  〔11〕初期的な地すべり
  〔12〕地すべり
  〔13〕地すべりの上では?
  〔14〕緩慢な動きでも大変
  〔15〕対岸に衝突した地すべりのその後
  〔16〕大規模崩壊
  〔17〕上にあったものは載ったまま移動
  〔18〕ブルドーザー
  〔19〕天然ダム
  〔20〕雨による天然ダムと地震による天然ダム
  〔21〕今も残る天然ダム
  〔22〕世界の大規模地すべり・崩壊
  〔23〕村すべてが崩壊地の中

<第2章> 地中の水
  〔24〕水の吹き出しによる崩壊
  〔25〕1998年福島県南部豪雨災害
  〔26〕水みち
  〔27〕地中のトンネル−パイピング−
  〔28〕水路式発電所
  〔29〕地中に水がたまると地盤が軽くなる
  〔30〕隙間が小さくても浮力は同じ
  〔31〕地すべりの水
  〔32〕埋没した谷
  〔33〕埋没した谷の洗い出し
  〔34〕水漏れのない埋没谷
  〔35〕丸い礫の起源
  〔36〕埋没谷は地下水の集水装置
  〔37〕野中のノッチ
  〔38〕山の中の地下水

<第3章> 雨
  〔39〕雨の降り方
  〔40〕土壌雨量指数と土砂災害警戒情報
  〔41〕土砂災害警戒情報の発表基準

<第4章> 山から川へ
  〔42〕2003年水俣宝川内の土石流
  〔43〕土石流の正体
  〔44〕土石流の堆積物
  〔45〕土石流は水やすり
  〔46〕土石流から身を守る先人の知恵
  〔47〕2014年広島豪雨災害−沖積錐
  〔48〕土石流は直進する
  〔49〕沖積錐(土石流扇状地) 
  〔50〕沖積錐から川の運搬へ

<第5章> 川の侵食
  〔51〕岩壁の崩落 
  〔52〕蛇行と攻撃斜面の地すべり
  〔53〕豪雨の後の川
  〔54〕平衡河川と遷急点
  〔55〕谷中谷
  〔56〕谷の縁の不安定化
  〔57〕深層崩壊は,重力変形斜面の中に発生
  〔58〕地震時にも崩れやすい谷中谷
  〔59〕2015年ネパール地震
  〔60〕準平原
  〔61〕隆起準平原の侵食

<第6章> 氷 河
  〔62〕U字谷
  〔63〕氷河の後退と縁の斜面の不安定化
  〔64〕ランタンヒマールの岩・雪なだれ
  〔65〕ランタンの悲劇
  〔66〕氷河の後退と縁の斜面の変形
  〔67〕U字谷の谷壁の崩壊
  〔68〕フィヨルドの崖
  〔69〕フィヨルド近くのU字谷の崖の縁の崩壊
  〔70〕大陸氷河の消失と地盤の隆起

<第7章> 川から海へ
  〔71〕尖状三角州
  〔72〕海に運ばれた土砂
  〔73〕砂ばかりの中に粘土
  〔74〕粘土はビニールシート
  〔75〕古東京湾−1971年千葉県豪雨災害−
  〔76〕粘土は砂を守る帽子
  〔77〕斜交層理と粘土のフィルム

<第8章> 海
  〔78〕波食台
  〔79〕ノッチ 
  〔80〕1996年豊浜トンネル災害
  〔81〕岩の塊の背後の亀裂
  〔82〕巨大な岩塊が落ちた理由
  〔83〕波の侵食は広い範囲に
  〔84〕乱泥流

<第9章> 風の働き
  〔85〕中国黄土高原
  〔86〕黄土高原の地すべり
  〔87〕関東ローム

<第10章> 地質の構造
  〔88〕地層
  〔89〕地層の面は第一級の不連続面
  〔90〕不整合
  〔91〕褶曲
  〔92〕褶曲に伴ってできる断層
  〔93〕2005年パキスタン北部地震
  〔94〕台湾集集地震−九分二山−
  〔95〕逆断層と正断層 
  〔96〕横ずれ断層
  〔97〕断層破砕帯
  〔98〕トンネルを掘る時に断層が怖い理由
  〔99〕断層破砕帯に起因する深層崩壊−台湾小林村−
  〔100〕小林村の崩壊の側部は断層
  〔101〕衝上断層
  〔102〕2011年台風12号による深層崩壊
  〔103〕ほとんど水平な断層
  〔104〕見かけの活断層−岩石が膨張してできる断層−
  〔105〕岩石を膨張させる粘土の成長
  〔106〕吸水膨張で形成される“活断層”
  〔107〕膨張する粘土
  〔108〕剥離しやすい岩石:泥岩→硬質泥岩→スレート
  〔109〕剥離しやすい岩石:片岩
  〔110〕剥離しやすい岩石:片麻岩

<第11章> 火 山
  〔111〕火山体の崩壊と自己修復
  〔112〕火山の恵み−湧水
  〔113〕降下火砕物
  〔114〕降下火山灰の雨による崩壊
  〔115〕降下火山灰の構造と降雨の浸透
  〔116〕降下火砕物の分布と地震時の崩壊
  〔117〕噴火と休止の繰り返し
  〔118〕御嶽山の地震時の崩壊
  〔119〕2011年東日本大震災時の崩壊
  〔120〕2009年インドネシア・パダン地震
  〔121〕パダン地震で崩れたもの
  〔122〕東京軽石層と震生湖
  〔123〕東京軽石層
  〔124〕日光市今市の震生湖
  〔125〕火砕流
  〔126〕火砕流に引き続くのは土石流
  〔127〕火砕流は低い所を埋める
  〔128〕火砕流の溶結・非溶結
  〔129〕安山岩の柱状節理
  〔130〕泥火山
  〔131〕泥火山の分布
  〔132〕泥火山の仕組み
  〔133〕泥火山と地すべり

<第12章> 地中の熱
  〔134〕地すべりと水蒸気爆発
  〔135〕熱水変質と地すべり
  〔136〕熱水変質粘土と降雨
  〔137〕熱水変質粘土と金鉱床
  〔138〕接触変成作用

<第13章> 地 震
  〔139〕地震動の増幅
  〔140〕九十九峯の中身の礫層
  〔141〕硬い岩塊のはじき合い
  〔142〕地震断層−1995年淡路島−
  〔143〕地震断層−1999年台湾−
  〔144〕断層変位への備え
  〔145〕2008年四川省ウエンチュアン地震
  〔146〕270kmの地震断層と崩壊
  〔147〕断層の上盤
  〔148〕2005年カシミールの地震
  〔149〕雨後の地震は要注意
  〔150〕液状化
  〔151〕水平なすべり面−2008年岩手・宮城内陸地震@−
  〔152〕水平なすべり面で何が起こる?
  〔153〕折りたたまれた橋−2008年岩手・宮城内陸地震A−
  〔154〕地震に伴う水噴出−1966年松代地震−
  〔155〕水噴火による地すべり−牧内地すべり−

<第14章> 風 化
  〔156〕酸化
  〔157〕黒くても風化している
  〔158〕黄鉄鉱は爆弾
  〔159〕海成堆積岩の風化と地すべり
  〔160〕2004年新潟県中越地震による泥岩の地すべり
  〔161〕住宅基礎の膨れ上がり
  〔162〕掘削後の風化−横浜住宅街の急崖−
  〔163〕岩石の間隙中の水−塩水と淡水の違い−
  〔164〕土の間隙水の塩水と淡水の交換−クイッククレー地すべり−
  〔165〕塩水と淡水の交換−クイッククレー
  〔166〕台湾の月世界
  〔167〕最も早い侵食速度
  〔168〕急速な侵食のメカニズム
  〔169〕乾湿繰り返し−スレーキング−
  〔170〕非溶結火砕流堆積物
  〔171〕シラスの風化断面
  〔172〕シラスの中の粘土の目詰まり
  〔173〕シラスの風化帯の毛管バリア
  〔174〕弱溶結火砕流堆積物−白河火砕流−
  〔175〕風化でできるすべり台
  〔176〕特殊な風化帯を作る理由
  〔177〕これが同じ軽石?
  〔178〕炭酸塩岩の崩壊−2008年中国ウエンチュアン地震−
  〔179〕炭酸塩岩の溶食−2008年中国ウエンチュアン地震−
  〔180〕方解石脈の溶食
  〔181〕炭酸塩岩の溶食−鍾乳洞−
  〔182〕花崗岩類
  〔183〕繰り返す広島豪雨災害
  〔184〕花崗岩類の深層風化
  〔185〕シーティング
  〔186〕シーティングの作るすべり台と巨大岩塊
  〔187〕花崗岩類は強い雨に弱い
  〔188〕風化花崗岩分布地の密集した崩壊
  〔189〕花崗岩類の球状風化
  〔190〕巨大な球体の転がり−2011年台風12号による那智勝浦の災害−
  〔191〕なぜ球状になるのでしょうか?
  〔192〕植物の幹と根の力
  〔193〕塩分の集積
  〔194〕タフォニ

 あとがき
 文 献
 写真や図に関する著作権一覧
 用語索引
 災害索引

【著者略歴】
千木良 雅弘 (ちぎら まさひろ)


1955年
1978年
1980年
1981年〜1997年
1997年〜2020年


2020年3月

2020年4月
2020年7月〜
群馬県生まれ
東京大学理学部卒業,
同大学院修士課程修了,
(財)電力中央研究所勤務.
京都大学防災研究所(地盤災害部門・山地災害環境研究分野)教授,京都大学大学院理学研究科地球惑星科学専攻教員を兼ねる.
京都大学防災研究所(地盤災害部門・山地災害環境研究分野)を定年退官
公益財団法人 深田地質研究所 常勤理事に就任.
公益財団法人 深田地質研究所 代表理事・理事長に就任.
現在に至る。
平成22年度〜平成25年度 日本応用地質学会 会長を歴任.

専 攻 応用地質学
(論文) 「岩盤クリープによる岩石の長期的重力変形」により1987年理学博士(東京大学)他論文多数
(受賞) ○「結晶片岩の岩盤クリープ(その1,2)」により1986年に日本応用地質学会学会賞を受賞
○「泥岩の化学的風化−新潟県更新統灰爪層の例−」により1989年に日本地質学会研究奨励賞を受賞
○深層崩壊の準備過程と発生場所予測に関する研究により,平成29年度科学技術分野の文部科学大臣表彰科学技術賞を受賞
著 書 『風化と崩壊』(1995年,近未来社)
『災害地質学入門』(1998年,近未来社)−改題新版により絶版
『群発する崩壊』(2002年,近未来社)
『崩壊の場所』(2007年,近未来社)
『深層崩壊』(2013年,近未来社)
『写真に見る 地質と災害』(2016年,近未来社)
『災害地質学ノート』(2018年,近未来社)
共 書 島崎英彦,新藤静男,吉田鎮男編『放射性廃棄物と地質科学−地層処分の現状と課題−』(1995年,東京大学出版会,共著)



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