自然科学書出版  近未来社
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千木良雅弘 著
  災害地質学ノート
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  増補版/地すべり地形判読法
千木良雅弘 著
  写真に見る 地質と災害
千木良雅弘 著
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千木良雅弘 著
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千木良雅弘 著
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千木良雅弘 著
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金折裕司 著
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金折裕司 著
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金折裕司 著
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高橋 保 著
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高橋 保 著
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  上手な本の作り方 Q&A
深川昌弘 著
  これからの自費出版−虎の巻−
増田 富士雄(京都大学名誉教授)編著
ダイナミック地層学
  −大阪平野・神戸 六甲山麓・京都盆地の沖積層の解析−
Dynamic Stratigraphy : Research for the“Chuseki-so”,
  the latest depositional sequence of Osaka, Kobe
  and Kyoto areas, Japan
B5判(並製)・222頁 定価 3,850円(税込)
ISBN978-4-906431-53-3 c1044〔初版発行日/2019.9.23〕
〔共著者〕−順不同
  伊藤有加(東京大学大学院新領域創成科学研究科)
  糸本夏実(多賀町立博物館,元同志社大学院生)
  櫻井皆生(ハイテック梶j
  坂本隆彦(元大阪府立香里ヶ丘高等学校)
 
 冨井 眞(京都大学文化財総合研究センター)
 上田圭一(電力中央研究所)
 原口 強(大阪市立大学大学院理学研究科)
 石田志朗(元山口大学)
Key Words  沖積層の解析・放射性炭素年代測定・海進期と海退期・堆積相解析・
地盤情報データベース・シークェンス層序学・粒度組成・古流向解析・
過去の海面変動の復元
From the text
 地層を研究する学問「地層学」は,地質学の一分野である.地層学は地層の上下関係を明らかにし,産出化石からその時代を特定する層序学が研究の中心であった.1970年〜80年代に,堆積物の特徴や地層の重なりから堆積時の環境や営力を推定する堆積相解析が登場した.この解析はその後,現世の堆積物に対する研究の進展によって過去を解明する地層学を深化させた.さらに1980年代末から1990年代になって石油探査の一手法である音響層序学から発展したシークェンス層序学の登場は,地層の重なり様式を相対的な海水準変動との関係で捉えることで,多くの知見を生みだし,地層の発達をダイナミックに理解させるようになった.こうした学問の流れのなかで,「沖積層」を解析した具体例を紹介するのがこの本である.(本書「まえがき」より抜粋)

 まえがき

第1章 大阪平野とその周辺地域の地形と地質 (増田富士雄)
  1.大阪平野の地形
  2.大阪平野の地形と地質の対応
  3.おわりに

第2章 地質データと解析法 (増田富士雄)
  1.学術ボーリング
  2.地盤情報データベース
  3.堆積相解析と層序解析
  4.Shazam層序学
   (1)Shazam層序学とは
   (2)Shazam層序学の手順
  5.堆積曲線解析
  6.おわりに

第3章 高槻市三島江で掘削された沖積層ボーリングコアの解析
     (増田富士雄・糸本夏実・櫻井皆生・上田圭一・原口 強)
  1.掘削地点とボーリングコア
  2.解析方法
  3.地層区分
  4.堆積環境
  5.古水深の変化
  6.まとめ

第4章 神戸市垂水の沖積層上部に対する堆積相解析の例 (増田富士雄)
  1.潮汐低地堆積物
  2.火山灰層と波浪堆積構造
  3.河川堆積物
   (1)網状河川堆積物
   (2)氾濫堆積物
   (3)土石流堆積物
  4.まとめ

第5章 大阪平野の海水準変動 (増田富士雄)
  1.相対的海水準変動と海進・海退
  2.大阪市西成区北津守コアから求めた相対的海水準変動
  3.干潟堆積物を使った大阪平野の海進期の相対的海水準変動
  4.新しい相対的海水準変動曲線の提示と評価
  5.おわりに
   〔コラム@〕堆積相解析のための「柱状図」(増田富士雄)

第6章 学術ボーリングコアの岩相変化と大阪湾の海況変動 (増田富士雄)
  1.解析方法
  2.解析結果と考察
   (1)海進時期
   (2)波浪ラビーンメント面
   (3)最大古水深
   (4)ダウンラップ面
  3.コアから推定した大阪湾の海況変動
   (1)イベント1:明石海峡での潮流発生事件(約9,800年前)
   (2)イベント2:河内湾への海進(約9,000年前)
   (3)イベント3:備讃瀬戸の成立(約8,000年前)
   (4)イベント4:淀川デルタの大阪湾への回帰(2,000年前〜1,500年前)
   (5)その他のイベント
  4.まとめ
   〔参考写真〕神戸コアの深度11mと17m付近の海成粘土層
   〔コラムA〕露頭表面の整形と拡大画像からの構造トレース(増田富士雄)

第7章 沖積層基底にみられる海退期の段丘地形と最終氷期の河川
     (増田富士雄・伊藤有加・坂本隆彦)
  1.沖積層堆積前の海面変動
  2.段丘堆積物の例:吹田市高城町コアと地質断面
  3.伊丹・尼崎地域の埋没段丘
  4.西大阪平野と尼崎平野の埋没段丘の復元
  5.古淀川の河川堆積物と河川勾配
  6.古淀川の流路形態
  7.おわりに

第8章 海進期の波食地形と堆積物 (増田富士雄)
  1.海進期の溺れ谷やエスチャリーの堆積物
  2.海進期の波浪ラビーンメント面の形成
  3.淀川下流域での海進期の特性
  4.海進期の海食崖の後退
  5.海進期における天満砂嘴の発達
  6.海進期の和田岬に発達した大型の砂嘴
  7.東灘の砂嘴
  8.まとめ
   〔参考写真〕天満砂嘴の砂礫層,砂州間低地の泥質砂層,弥生時代の
      砂州の礫質砂層の重なり

第9章 最高海面期の海岸線 (増田富士雄)
  1.最高海面期の海水面の高さ
  2.最高海面期の海岸線
   (1)神戸地域
   (2)尼崎地域
   (3)千里丘陵南縁地域
   (4)吹田〜高槻地域
   (5)淀川湾奥のデルタ地域
   (6)河内湾地域
   (7)上町台地北端
   (8)上町台地西縁
  3.おわりに
   〔参考写真〕神戸市花隈公園付近の縄文時代の波食崖の痕跡

第10章 海面安定期から海退期の地層形成 (増田富士雄)
  1.海退期における地域毎の地形と堆積システムの違い
  2.大阪地域の海退層
  3.神戸地域の海退層
  4.泉州地域の海退層
  5.河内湾の海退層
  6.おわりに
   〔コラムB〕大阪平野と日本海側との構造差
     :兵庫県豊岡盆地の沖積層(増田富士雄)

第11章 “弥生の小海退”:最高海面期以後の海面変動 (増田富士雄)
  1.神戸市,住吉川−芦屋川間の深江地域
  2.神戸市西部,須磨区古川町遺跡の砂丘堆積物
  3.大阪上町台地西側での弥生-古噴時代の海面変動
  4.おわりに

第12章 大阪平野の沖積層の古地理図
     (増田富士雄・糸本夏実)
  1.解析方法と結果
   (1)堆積年代の決定
   (2)古地理図の作成
   (3)堆積量図の作成
  2.古水深と堆積量の変化
   (1)海進期
   (2)最高海面期
   (3)海退期
   (4)古地理図からみた海進期と海退期の堆積作用と地層の発達
  3.まとめ
   〔コラムC〕粒度組成の解析(増田富士雄)

第13章 神戸 三宮で発見された江戸時代の津波堆積物 (増田富士雄)
  1.旧神戸外国人居留地遺跡の位置と地質
   (1)表層撹乱層
   (2)上部粗粒砂層
   (3)中・下部砂泥互層
  2.堆積構造の特徴
  3.堆積物の粒度特性
  4.津波堆積物の堆積年代
  5.おわりに

第14章 大阪湾岸の地形改変とボーリングデータ (増田富士雄)
  1.大阪湾沿岸の海岸線変化
  2.コア資料に記録された人工物
  3.埋め立てによる海底面の変形
  4.おわりに

第15章 構造運動と沖積層 (増田富士雄)
  1.大阪平野の撓曲構造
   (1)上町台地の撓曲構造
   (2)泉州の褶曲構造
   (3)河内平野北部の同斜構造
  2.みかけの構造
  3.断層運動による河内平野東縁の構造
  4.活断層調査の群列ボーリング断面に対する別の説明
   (1)古地震イベント1
   (2)古地震イベント2
   (3)この地域の堆積システム
   (4)海成粘土層の圧密差
  5.おわりに

第16章 京都盆地の扇状地堆積物 (増田富士雄)
  1.京都盆地の沖積層
  2.鴨川扇状地の砂礫層
   (1)扇状地性砂礫堆積物の岩相
   (2)扇状地性砂礫堆積物の特徴的な堆積構造
   (3)扇状地性砂礫層内部の大型堆積構造
   (4)扇状地性砂礫堆積物のフォーセット構造が示す古流向
  3.おわりに

第17章 京都白川扇状地の弥生時代の砂質土石流堆積物
     (増田富士雄・冨井 眞)
  1.白川扇状地の堆積物
  2.白川扇状地の砂質土石流
   (1)砂質土石流堆積物の特徴
   (2)砂質土石流の分布と流路
   (3)堆積物の粒度特性からみた区分
   (4)土石流による衝突痕の配列
  3.おわりに
   〔コラムD〕淀川,宇治川流域の水防家屋「段倉」(増田富士雄)

第18章 京都盆地南部巨椋池の湖沼堆積物
     (増田富士雄・伊藤有加・石田志朗)
  1.巨椋池干拓地の沖積層の岩相
  2.古巨椋池のデルタと流路
   (1)桂川デルタ
   (2)古川デルタと宇治川デルタ
   (3)北流する湖沼デルタ流路群
  3.古巨椋池の発生時期と拡大期
   (1)巨椋池粘土層の年代値
   (2)古巨椋池の発生
   (3)古巨椋池の最大拡大期
   (4)古巨椋池の縮小期
  4.古巨椋池地域の年代値からわかること
   (1)宇治川断層の撓曲
   (2)巨椋池粘土層の堆積速度変化
   (3)沖積層の下位の礫層の年代
  5.水垂粘土層の堆積構造
  6.まとめ
   〔参考写真〕巨椋池西端の“逆デルタ”

第19章 木津川の氾濫流路と破堤ローブの堆積物 (増田富士雄)
  1.破堤ローブと氾濫流路
  2.木津川下流域の破堤地形
  3.破堤ローブの堆積物
  4.大峰砂堆から延びる流路跡
  5.弥生時代の氾濫流路と埋積物
   (1)流路形態
   (2)埋積様式
   (3)堆積物の粒度特性
  6.縄文時代の氾濫流路と埋積物
   (1)氾濫流路と埋積物
   (2)埋積年代
  7.破堤型河川の木津川
  8.まとめ
   〔参考写真〕中世末〜江戸初期の木津川河床堆積物

第20章 木津川流域の人工地形改変:天井川と天地返し (増田富士雄)
  1.天井川
   (1)木津川流域の天井川
   (2)木津川河床の上昇と天井川化
   (3)天井川システム
   (4)天井川の内部断面
  2.天地返し
  3.まとめ
   〔コラムE〕大崩壊に伴う岩屑流堆積物
     :花折断層谷での「町居崩れ」(増田富士雄)

あとがき
文  献

【著者略歴】
増田 富士雄
(ますだ ふじお)
1946年 神奈川県横浜市に生まれる.
1965年 横浜市立南高等学校を卒業後,東京教育大学理学部地質学鉱物学専攻に進み,「地質学」を学ぶ.
1974年 同大学院博士課程を修了,理学博士.その後,筑波大学地球科学系勤務を経て,1991年 大阪大学教養部,同理学部,1996年 京都大学大学院理学研究科,2006年同志社大学工学部,理工学部に勤務し,2017年退職.

現在,京都大学名誉教授.地層や化石から過去の情報を読み取る方法の開発を行ってきた.堆積時の水理条件や堆積環境の推定,過去の気候研究などを,野外調査に加えて,試料の元素や同位体の分析,水路や水槽を用いた堆積実験や資料の解析などを行っている.特に,野外調査に強い魅力を感じている.また,勤務大学での講義や実験,他大学での集中講義などで学生さん相手に話すのが楽しみであった.

近年では遺跡調査での堆積物観察や,環境や防災などに関する地域研究に興味を抱いている.趣味は絵を描くこと,スキーやテニスなどのスポーツをすること.

著書には『リズミカルな地球の変動』(岩波書店),『地質時代の気候変動』(地球惑星科学11,気候変動論,岩波書店),『地層とリズム』(大原隆ほか編,地球の探求,朝倉書店),『長い時間からみた現在の気候環境の成立』(野上道男編,環境理学,古今書院),共編著『活動的プレート縁辺域における堆積相(英文)』(Terra Scientific Publishing Company)ほかがある.

近未来社 480-0305 春日井市坂下町1-1528-27 Tel(0568)88-5210/(090)1758-4804 book-do@kinmiraisha.com