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高橋 保(京都大学名誉教授)
地質・砂防・土木技術者/研究者のための
洪水の水理 −被害の評価と対策−

ニュー・フィールド・サイエンス・
シリーズ Vol.4
菊判(並製)
396 P
3,619円+税
ISBN978-4-906431-35-9
個々の流域に最適の方策を見出すためには、洪水の河道内での挙動はもちろん、市街地等での氾濫流の性質を正しく知ることが不可避となる。

Key Words
河川災害・洪水流・洪水災害・洪水ハザード・洪水氾濫・洪水対策
まえがき まえがきをお読みになりたい方は……。
第1章   河川内部における洪水流の挙動
  1.1 河道の形態と洪水流に対する境界条件
  1.2 種々の境界条件下の洪水流の挙動の実態
  1.2.1 整斉な一様断面形を持った河道を流下する洪水流
  1.2.2 貯水池内部における洪水流の挙動
  1.2.3 断面が不規則に変化する河道を流下する洪水流
  1.2.4 狭窄部を通過する洪水流
  1.2.5 合流点付近における洪水流
第2章   洪水災害の実態
  2.1 昭和44年8月の黒部川破堤氾濫災害
  2.1.1 災害の概要
  2.1.2 破堤原因の分析
  2.1.3 破堤箇所の水理特性
  2.2 昭和47年7月豪雨による中国地方の水害
  2.2.1 江の川の水害
  2.2.2 浜田ダムの洪水調節
  2.3 昭和57年7月長崎豪雨災害
  2.3.1 災害の概要
  2.3.2 中島川の氾濫災害
  2.4 昭和58年7月山陰豪雨災害
  2.4.1 災害の概要
  2.4.2 三隅・郷地区における洪水氾濫の実態
第3章   洪水流理論の系譜
  3.1 一次元流れの基礎方程式
  3.1.1 一次元非定常流の連続方程式
  3.1.2 運動量保存の式
  3.1.3 エネルギー保存の式
  3.2 二次元平面流れの基礎方程式
  3.2.1 連続方程式
  3.2.2 運動方程式
  3.3 開水路非定常流における波動性
  3.3.1 流れの分類
  3.3.2 単斜上昇波
  3.3.3 波先および波面終端部の挙動
  3.4 洪水流理論
  3.4.1 キネマティックウェーブ理論(λ<<1の波)
  3.4.2 拡散類似モデル(λ<1の波)
  3.4.3 林の逐次近似解法
  3.4.4 高橋の摂動解法
  3.5 水位変動が急激な波
  3.5.1 λ>>1の波
  3.5.2 λが1程度の大きさを持っている波
  3.6 二次元氾濫流解析モデル
  3.6.1 種々の解析手法
  3.6.2 デカルト座標モデル
第4章   各種下流側境界条件下における洪水流の特性
  4.1 一様河道における洪水流
  4.1.1 一様河道の洪水流に関する実験
  4.1.2 水位の横断分布に関する実験
  4.2 下流端水位が一定高さに堰上げられている背水条件下における洪水流
  4.2.1 理論的考察
  4.2.2 実験による検証および考察
  4.3 下流端に支配断面を生ずる堰上げ領域内の洪水流
  4.3.1 理論的考察
  4.3.2 実験による検証および考察
  4.4 下流端水位が流量と無関係に変動する堰上げ領域内の洪水流
  4.4.1 理論的考察
  4.4.2 実験による検討
  4.5 種々の下流側境界条件が洪水流に与える総合効果
  4.5.1 一様河道内に常時水位を一定に保持する貯水池が築造された場合
  4.5.2 一様河道に放流能力の高い自由越流型固定堰が設置された場合
  4.5.3 自由越流型固定堰群が直列に築造された場合
  4.5.4 貯水池が土砂で満杯になった場合
  4.6 河川合流部における洪水流の特性
  4.6.1 洪水ハイドログラフの変形効果からみた合流点の分類
  4.6.2 独立支川が合流する場合
  4.6.3 従属支川が合流する場合
第5章   河道の断面形が洪水伝播に与える影響
  5.1 狭窄部における洪水流
  5.1.1 理論的考察
  5.1.2 実験による検討
  5.2 不規則断面河道における洪水流
  5.2.1 定常流における検討
  5.2.2 非定常流における検討
  5.3 複断面河道における洪水流
  5.3.1 複断面水路の定常流
  5.3.2 複断面水路の洪水流
第6章   洪水ハザードの予測
  6.1 市街地における洪水氾濫水の挙動
  6.1.1 家屋群が分布している場における洪水氾濫
  6.1.2 排水路網が存在する場での洪水氾濫
  6.1.3 洪水氾濫に伴う地下街の浸水
  6.1.4 昭和57年の長崎水害における中島川の洪水氾濫解析
  6.2 河川堤防の決壊に伴う堤内地の土砂堆積
  6.2.1 堤体土砂の流出による掃流砂の堆積
  6.2.2 河道内浮遊土砂の流出による堤内地の土砂堆積
  6.3 堤内地における流木群の挙動
  6.3.1 一次元場における流木群の堰き止め機構に関する実験的検討
  6.3.2 一次元流れ場における流木個々の運動に関する実験
  6.3.3 流木群の流動に関するシミュレーションモデル
  6.3.4 流木群の堰き止めに関するシミュレーション
  6.3.5 二次元場における流木の堰き止めに関する予察的実験
第7章   洪水氾濫水による被害の評価
  7.1 洪水氾濫水による木造家屋の流失危険度
  7.1.1 三隅川の洪水氾濫解析による家屋被害の分析
  7.1.2 木造家屋の構造と耐力
  7.1.3 家屋構造物に作用する流体力とモーメントに関する実験
  7.1.4 動水圧に対する窓ガラスの耐力
  7.1.5 家屋群中で受ける流体力
  7.1.6 巨椋流域を対象とした木造家屋流失危険度予測
  7.2 洪水氾濫による損害額の定量的予測
  7.2.1 既往の損害額評価法
  7.2.2 数値シミュレーションによる被害額の評価
  7.3 洪水氾濫による人命損失の定量的予測
  7.3.1 回帰式モデル
  7.3.2 避難行動を考慮に入れた人的被害の予測
第8章   洪水対策の考え方
  8.1 洪水災害対策の体制および意思決定プロセス
  8.1.1 総合的洪水災害対策のための施策・法制度
  8.1.2 総合的洪水災害対策整備への意思決定プロセス
  8.2 洪水災害のためのハード対策
  8.2.1 洪水発生規模を緩和するための手段
  8.2.2 ダムによる洪水調節
  8.2.3 河川堤防
  8.2.4 放水路
 あとがき
 参考文献
 索 引
 著者略歴

著者略歴

高橋 保(たかはしたもつ)
 1939年京都市に生まれる。1963年京都大学工学部土木工学科卒業,1965年同大学院工学研究科土木工学専攻修士課程修了後,京都大学防災研究所助手,1967年同工学部講師,1968年同防災研究所助教授,1982年同教授,2003年同定年退官,京都大学名誉教授となり,財団法人防災研究協会理事に就任,現在,同協会理事長。

 1995年度から2年度にわたり,防災研究所長として,研究所の全面改組,阪神淡路大震災に関する研究所としての研究統括を行い,また,1987年度から文部省自然科学総合研究班の本部幹事,さらに,1993年から3年間は研究代表者として,わが国の災害科学研究の推進に尽力した。その間,数多くの学会役員,委員会委員,国・地方の審議会・委員会の委員としても活躍した。

 研究面では,当初,河道における洪水流の特性に関する研究を行い,この研究で工学博士の学位を取得した。その後,1974年には1年間,ニュージーランドのリンカーン大学に滞在し,網状河川に関連する研究を行い,帰国後は,土石流を中心とする土砂流出・土砂災害の研究に本格的に取り組むようになった。1982年防災研究所の耐水システム研究部門を担当することになって,従来の研究に加えて,都市域での洪水氾濫災害問題にも研究を拡げることになった。

 これらの研究の成果の一部について,多くの国際学会で招待講演や基調講演を行い,著書・論文は多数に上っている。土木学会著作賞,砂防学会賞等が授与され,2004年には,近未来社から上梓した『地質・砂防・土木技術者/研究者のための土石流の機構と対策』の執筆に対して,土木学会出版文化賞を受賞している。さらに,2008年には,砂防学および砂防技術に対する功績によって,赤木賞が授与されている。
本文写真7.1〜7.4
近未来科学ライブラリー・シリーズ サイエンス・セレクション・シリーズ
地中の虹 (渡辺邦夫) 文化財保存科学ノート (沢田正昭)
甦る断層 (金折裕司) 災害地質学入門 (千木良雅弘)
地球色変化 (中嶋 悟) 岩盤破壊音の科学 (石田 毅)
断層列島 (金折裕司) 地震予知研究の新展開 (長尾年恭)
風化と崩壊 (千木良雅弘) 地盤液状化の科学 (岡二三生)
都市大災害 (河田恵昭) 地質のフィールド解析法 (青野宏美)
活断層系 (金折裕司)
予知と前兆 (力武常次) ニューフィールド・サイエンス・シリーズ
群発する崩壊 (千木良雅弘) 地質構造解析20講 (佐藤 正)
地下環境機能 (吉田英一) 土石流の機構と対策 (高橋 保)
崩壊の場所 (千木良雅弘) 土砂流出現象と土砂害対策 (高橋 保)
内陸地震はなぜ起こるのか? (飯尾能久) 洪水の水理 (高橋 保)
地層処分 (吉田英一)
フルカラーの専門書 防災科学技術ライブラリー
チャート・珪質堆積物 (服部 勇) 地すべり地形の判読法 (大八木規夫)
地震の化石 (林 愛明)
四川大地震 (林 愛明・任 治坤) 日本の活断層
山口県の活断層 (金折裕司)
日本生物図誌シリーズ
大阪府陸産貝類誌 (松村 勲) その他
かたつむりの世界 (川名美佐男) これからの自費出版-虎の巻- (深川昌弘)
大学をリシャッフルする (西田耕三)
建設行政法規の本 キッズ川柳を作ろう! (日野進)
建設行政法規の基礎知識 (萬匠東亜男) (著)省略


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