近未来社
■建設行政法規の基礎知識
まえがき

 本書では、社会資本の整備に関する法令のうち国土交通省が所管する法令に基づく行政を建設行政ととらえ、これらの法令に関する基礎的知識を系統的に把握できるよう、国土づくりの歴史を加味しながら、また地方行政の視点からできるだけ平易に解説しています。
 環境アセスメントなど環境に関する法令や廃棄物の処理に関する法令、あるいは資格を取得する上で重要な技術士に関する法令等については、建設行政に密接に関連することから、それぞれ環境行政及び資格制度として一つの章を設けています。
 建設行政を取り巻く状況は、この十数年の間に大きく変化しました。
 行政が変化したと実感できる一つに情報の公開があります。
 情報公開は、地方公共団体が主導し、1999(平成11)年には「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」が制定され、請求に基づく情報開示のほか、インターネットを通じて膨大な情報が各省庁及び地方公共団体のホームページ上で閲覧できるようになりました。

 本書で参考として示している法律、政省令の全ては、電子政府内にある法令検索システムから引用し、用語の解説等は各省庁や地方公共団体のホームページ及びウェブ上のフリー百科事典等を参考にしています。
 しかし、インターネット上の情報は玉石混淆でもあります。
 公的機関のホームページ上の報道発表資料や公式文書は一次的な情報として利用させて頂いていますが、解説等についてはできるだけ一次的な情報に接するよう努めて本書を著しました。

 本書では一つの試みとしてインターネットの検索ページを「ぴたっと検索」と名付けて各章毎に設けています。
 従来のURLを記載する方法ではなく、ホームページの名称と検索語を掲載する形式を取っています。民間会社や個人のホームページにも貴重で正確な情報が多々ありますが、本書では公的機関のホームページを主としました。
 目的とする情報に素早く到達できるよう検索語は吟味はしていますが、検索エンジンによっても変わりますので、読者ご自身の手で様々にお試し下さい。
 行政は、国内の諸状況の変化とわが国を取り巻く世界の状況に従い、常に変革することが求められます。
 本書で示している事項の中には、長い歴史の中で形成された国のしくみの原則とされるような事項もありますが、行政評価のようにこれからの社会の進展の中で方向性や方法が確立していくであろうとされる事項もあります。

 本書は、社会資本に関する法令に関し、一時点での断面を示しているに過ぎないものです。従って、本書を利用するに当たっては、読者ご自身の手で参考図書やインターネットあるいは報道など数多くの情報に接し、本書に記していることがその時点で間違いがないかを確認されるようお奨めします。
 国と地方の財政が逼迫する中で公共投資は大幅に減少し、民間投資を含めた建設投資の総額はピーク時の60%にまで落ち込み、建設業及び建設関連業の経営環境は著しく悪化しています。
 そのような中にあって、建設行政に携わり、あるいは建設業及び建設関連業にあって日夜、懸命の努力を傾けられている読者諸兄姉に敬意を表するとともに、本書がそのような方々及び地方公務員を目指す学生諸君、そして資格の取得に日夜、研鑽されている方々の役に立つものとなれば、著者にとって望外の喜びとするものであります。

2008(平成20)年2月 著 者

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