近未来社
■四川大地震
まえがき

 2008年中国四川大地震(マグニチュード7.9)は,チベット高原と四川盆地の境界部に当たる龍門山地域で発生し,公式発表によると,死者約7万人,行方不明者約2万人,負傷者37万4,000人で,被害者の総数は4,624万人にも上るという史上まれに見る被害をもたらした。今回の大地震は,日本では四川大地震と呼ばれているが,中国では震源地である「四川県」の地名を取って「四川地震」と命名された。

 四川大地震に伴って総延長285km以上,最大垂直変位量6.5mの地表地震断層が既存の龍門山逆断層帯沿いに出現した。地震断層の長さと変位量とも内陸逆断層タイプの地震としては最大規模のものである。

この地震の震源断層のメカニズムと地表地震断層に関連する変形の特徴並びに被害状況を解明するために,私たちの調査グループは地震の2日後に震源地に入り,現地調査を行って,地表地震断層の分布形態,変位量および地震被害などに関連する地震直後の現地データを収集した。その後,震源断層である龍門山活断層帯およびその周辺の地震断層・活断層に関する調査は現在でも継続している。

 本写真集は,著者らが地震直後,現地調査の際に撮影した四川大地震の地表地震断層・地震被害状況・救援活動などの写真を元に編集したもので,地震学や地質学あるいは防災・建築設計分野などの研究者や技術者の参考資料としてだけではなく,大学生や大学院生の学習参考書としても利用できる。多くの研究機関および個人的な助けにより本写真集を出版することが可能になった。特に現地調査における共同研究者である南京大学の賈東教授と呉暁俊博士に多大なご協力を頂いた。宇宙航空研究開発機構にはALOS画像を,国土地理院飛田幹男博士にはInSar画像の解析結果を提供して頂いた。本写真集が四川大地震一周年を前に短期間のうちに刊行できたのは近未来社のご尽力によるところが大きい。以上の方々に感謝したい。

 最後に,四川大地震で亡くなられた方々に対し哀悼の意を表しますとともに,被災された方々に心からのお見舞いを申し上げます。

著 者

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