自然科学書出版  近未来社
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千木良雅弘 著

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大八木規夫 著
  増補版/地すべり地形判読法
千木良雅弘 著
  写真に見る 地質と災害
千木良雅弘 著
  深層崩壊
千木良雅弘 著
  崩壊の場所
千木良雅弘 著
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〈編著〉奥野 充・遠田晋次・三浦大助・山田和芳・早川宗志・
    宝田晋治・清杉孝司・藤木利之・續ィ光博
島嶼環境史学への招待
 −アーカイブからひもとく災害レジリエンス−
 An Invitation to Island Environmental History:
 Unraveling Disaster Resilience through Archival Records
B5判(ソフトカバー製本)・178頁 定価 3,300円(税込)
ISBN978-4-906431-56-4 c1044〔初版発行日/2025.7.6〕
Key Words  島嶼環境史学,低頻度・巨大災害,生物多様性,大規模噴火,カルデラ形成噴火,海底噴火に伴う漂着軽石,都市直下の内陸地震,地震による斜面崩壊,植物珪酸体,花粉化石,島嶼生態系, 湖沼掘削,石筍の年縞,環境DNA,古代DNA,元素マッピング,レーザー分光,海洋リザーバー 効果,WebGIS,ICT活用とオープンデータ

From the text
 我が国で頻発している自然災害は,人類の活動領域の拡大に伴ってさらに深刻化すると考えられ,その対策は喫緊の課題である.これに加えて,侵略的外来種の問題や地球温暖化に起因すると考えられる自然環境の急変に対しても社会が脆弱になっている.現代は「人新世(人類世)」(Anthropocene)とも呼ばれ,人類活動による環境汚染や急速な生物種の減少と大量絶滅が深刻な時代である.厳しい人新世を豊かに生き抜き,持続可能な社会を実現するために人類の叡智が問われている.
 本書では,日本列島のように海によって隔てられた島嶼域の自然環境,生態系,人間社会とその展開を対象として,陸域アーカイブから人類と環境の相互作用の歴史を構築し,自然災害科学・環境学と考古学・歴史学を融合させた新しい学問「地球環境史学」の創成を試みる.

島嶼環境史学への招待
−アーカイブからひもとく災害レジリエンス−

<プロローグ>
 低頻度・巨大災害に対するレジリエンスの強化に向けた島嶼における人類学的・
 自然環境史学的研究
  (奥野 充・遠田晋次・三浦大助・山田和芳・早川宗志・宝田晋治・清杉孝司・
   藤木利之・續ィ光博)

  1.島嶼環境史学とは
  2.低頻度・巨大災害に備える鍵としての「歴史」
  3.低頻度・巨大災害をどう捉えるか
  4.低頻度・巨大災害を捉える「年縞」の課題
  5.年縞編年による自然災害が社会の興亡・歴史の展開に与えた影響の解明
  6.災害大国から発信する低頻度・巨大災害の本質
著者一覧


<第T章> 低頻度・巨大災害の起因現象:火山噴火と津波,活断層
T. 1 巨大噴火の災害と減災対策(三浦大助)
  1. はじめに
  2. 巨大噴火と噴火時の対策
  3. 社会の機能維持とリスク分析
  4. 火山噴火と災害リスク
  5. まとめ

T. 2 富士火山の噴火史(馬場 章)
  1. はじめに
  2. 江戸時代に起こった大規模爆発的噴火
  3. 首都圏からみた富士火山の大規模噴火

T. 3 箱根火山の巨大噴火と首都圏(萬年一剛)
  1. はじめに
  2. 箱根火山で頻発した巨大噴火
  3. 箱根火山は将来,巨大噴火を起こすのか
  4. 今後の箱根火山におけるテフラ研究
  5. 富士火山との比較研究の重要性

T. 4 姶良カルデラと桜島火山の最近10万年間の噴火史:姶良Tn
   (AT) および桜島薩摩(Sz-S)規模の噴火の長期予測
   (奥野 充・小林哲夫)
  1. はじめに
  2. 最近10万年間の噴火史の概要
    〈2−1〉姶良カルデラ 24
    〈2−2〉桜島火山 25
  3. 噴火史研究とその他の関連研究による長期予測
    〈3−1〉入戸火砕流規模の噴火 26
    〈3−2〉桜島薩摩テフラ規模の噴火 26

T. 5 鬼界カルデラのアカホヤ噴火とアカホヤ津波堆積物
   (小林哲夫)
  1. はじめに
  2. 津波堆積物の識別基準
  3. 代表的なアカホヤ津波の痕跡
    〈3−1〉カルデラ近傍(カルデラ中心から60km圏内)
    〈3−2〉カルデラ遠方(100km以上)における産状

T. 6 アカホヤ津波の成因:カルデラ崩壊のプロセス(小林哲夫)
  1. はじめに
  2. 陥没カルデラのタイプ
  3. 陥没カルデラの類似例:海域の山体崩壊
  4. おわりに

T. 7 アカホヤ津波が沿岸域の生活環境に与えた影響(小林哲夫)
  1. はじめに
  2. Ah噴火以前の貝塚の分布
  3. Ah噴火以前の沿岸域の遺跡

T. 8 沖縄本島および石垣島での福徳岡ノ場起源の漂着軽石:
    2021年11月以後の産出状況(奥野 充・鳥井真之)
  1. はじめに
  2. 調査結果の概要
    〈2−1〉沖縄本島
    〈2−2〉石垣島
  3. 漂着軽石の産状の特徴

T. 9 活断層と都市直下の内陸地震(遠田晋次)
  1. はじめに
  2. GR則と固有地震モデルによるMと頻度予測
  3. 2023年トルコ,カフラマンマラシュ地震
  4. 熊本地震とトルコ地震からの教訓

T. 10 2018年北海道胆振東部地震による斜面崩壊の順序:厚真町桜丘での例
    (奥野 充・鳥井真之・古市剛久・北園芳人)
  1. はじめに
  2. 厚真町周辺の斜面崩壊の概要
  3. 桜丘地区の崩壊地におけるテフラ層序と地形
  4. 14C年代測定試料とその結果
  5. 桜丘地区の崩壊プロセス


<第U章> 島嶼環境史学からみる人間活動と生物多様性
U. 1 南九州における先史時代の巨大噴火災害(續ィ光博)
  1. はじめに
  2. 南九州における先史時代の破局的噴火災害
    〈2−1〉後期旧石器時代の姶良入戸(AT)噴火
    〈2−2〉縄文時代早期末の鬼界アカホヤ噴火
  3. まとめ

U. 2 遺跡周辺の植生:人類による攪乱の影響(林 尚輝)
  1. 人間による植生の改変
  2. 植物珪酸体分析と微粒炭分析
  3. 兵庫県神鍋高原の草原と山焼きの歴史
  4. 累積性土壌の分析から復元された日本各地の山焼きと草原の歴史

U. 3 花粉分析による古植生変遷:東ポリネシア・クック諸島(藤木利之)
  1. はじめに
  2. マンガイア島への人類到達年代
  3. アチウ島への人類到達年代

U. 4 島嶼生態系における進化と絶滅(西岡佑一郎)
  1. はじめに
  2. 人類進化にみる島嶼生態系の特徴
  3. メガファウナの大絶滅の原因
  4. 日本における哺乳類の絶滅をどう解釈するか

U. 5 人為災害が生物多様性に与える影響(早川宗志・岸本年郎)
  1. はじめに
  2. 人為災害の要因
  3. 島嶼部の歪な生態系と外来生物の脅威

U. 6 自然災害が生物多様性に与える影響(早川宗志・黒沢高秀)
  1. はじめに
  2. 東日本大震災による植物への影響
  3. 東日本大震災とその前後の人間活動
  4. 巨大災害に対する自然史博物館の役割
  5. 津波による生物の移動


<第V章> 島嶼環境史学における新たなアプローチ
V. 1 湖沼掘削科学の新たな地平(山田和芳)
  1. はじめに
  2. 日本における湖沼掘削科学史
  3. 年縞研究の現在地
  4. 湖沼堆積物が解明する鹿児島県における金山産業と水銀汚染
  5. 人工水域における堆積物が解き明かす自然環境と人間活動
  6. おわりに

V. 2 年縞から読み取る古環境記録(石原与四郎)
  1. はじめに
  2. 湖成年縞
  3. 石筍年縞

V. 3 堆積物コアに含まれる環境DNAの分析方法(仲村康秀)
  1. 環境DNAの分析方法
  2. 堆積物に含まれる環境DNAの分析
  3. プランクトンに着目した堆積物に対するDNA分析

V. 4 生物多様性の健全性と将来に向けた保全(岸田拓士)
  1. はじめに
  2. 古代DNAの解読
  3. 生物多様性の減少と保全の取り組み

V. 5 元素マッピングが拓く古環境変化と生物多様性
  (中西利典・北田寿夫・水平 学) 99
  1. はじめに
  2. 地質試料への適用例
  3. 植物試料への適用例
  4. 堆積物試料の試行実験
  5. まとめ

V. 6 レーザー分光の環境学・地質学への応用(坂井三郎)
  1. はじめに
  2. 中赤外レーザー分光で高感度に同位体を測る
  3. 高分解能解析のためのマイクロサンプリング
  4. おわりに

V. 7 海産物試料の14C年代の暦年較正:
   Marine 20とMarine 13による暦年代の比較(中村俊夫)
  1. はじめに
  2. 陸産物試料と海産物試料の14C年代の比較
  3. Marine 20とMarine 13から算出されるローカルリザーバーの相違
    〈3−1〉石川県鳳珠郡能登町真脇遺跡の沖積堆積物のボーリングコア試料
    〈3−2〉海洋リザーバー値(R(t))とローカルリザーバー値(ΔR(t))
  4. それぞれのローカルリザーバー効果の値を用いてのMarine 20とMarine 13
    による暦年較正結果の比較
    〈4−1〉真脇遺跡のボーリングコア試料 C−6 コア
    〈4−2〉C−6 コア試料の14C年代の暦年較正
    〈4−3〉IntCal 20とMarine 20による暦年較正結果の比較
    〈4−4〉Marine 20とMarine 13による暦年較正結果の比較
  5. 同じ暦年代を示す陸産試料がない場合
  6. まとめ


<第W章> 防災・減災に向けた地質情報学
W. 1 産総研地質調査総合センターの火山データベース(宝田晋治)
  1. はじめに
  2. 20万分の1日本火山図
  3. 1万年噴火イベントデータ集
  4. 大規模噴火データベース
  5. 噴火推移データベース
  6. 火山灰データベース

W. 2 地質学的記録から数え落とされている爆発的噴火の量の推定(清杉孝司)
  1. はじめに
  2. 手法
    〈データのコンパイル〉
    〈計算方法〉
  3. 結果
  4. 考察
  5. まとめ

W. 3 WebGISを用いた地質情報の共有と可視化(根本達也)
  1. はじめに
  2. オープンソースソフトウェア
  3. オープンスタンダード
  4. 地質情報の共有と可視化
  5. 災害対策におけるWebGISの活用

W. 4 情報のオープン化(奥村 勝)
  1. はじめに
  2. オープンデータ
  3. オープンデータの動向
  4. オープンデータ活用の事例
    〈4−1〉ゴミ出しアプリ「5374.jp」
    〈4−2〉窓口情報・イベント情報のオープンデータ化
    〈4−3〉その他のオープンデータの活用事例
  5 火山・地質情報のオープン化と今後に向けて
    〈5−1〉火山・地質情報のオープンデータ活用
    〈5−2〉課題と今後に向けて

W. 5 祭祀施設のハザード記録(黒木貴一)
  1. 祭祀施設「神社」への眼差し
  2. 時間記録の存在確認方法
  3. 時間記録の内訳
  4. 空間記録の存在確認
  5. 祭祀施設「神社」を核とする文理融合の期待
    〈5−1〉神社研究の位置
    〈5−2〉神社が保持する自然災害記録の意味
    〈5−3〉その他の奉納物情報に見るメソスケールの記録と今後の展開


<補遺> 2024年1月1日 能登半島地震と2025年3月28日 ミャンマー地震
(遠田晋次)
    1. はじめに
    2. 2024年(令和6年)1月1日能登半島地震
    3. 2025年3月28日ミャンマー地震

<エピローグ> 島嶼環境史学の展望
(奥野 充・遠田晋次・三浦大助・山田和芳・早川宗志・宝田晋治・
 清杉孝司・藤木利之・續ィ光博
    1. 島嶼環境史学の概観
    2. 島嶼環境史学としてのさらなる課題
    3. 人類の危機を乗り越えるために
   引用文献
   謝  辞
   用語索引


 
著者一覧(アルファベット順  *編著者
馬場 章 昭和医科大学富士山麓自然・生物研究所 講師
* 藤木 利之 岡山理科大学理学部基礎理学科 准教授
古市 剛久 宮城教育大学教育学部防災教育研修機構 教授
* 早川 宗志 ふじのくに地球環境史ミュージアム 准教授
林 尚輝 鹿児島大学法文学部 特任助教
石原 与四郎 福岡大学理学部地球圈科学科 助教
岸田 拓士 日本大学生物資源科学部動物学科 教授
岸本 年郎 ふじのくに地球環境史ミュージアム 教授
北田 寿夫 ブルカージャパン XMAセールスマネージャー
北園 芳人 熊本大学 名誉教授
* 清杉 孝司 神戸大学大学院理学研究科惑星学専攻 講師
小林 哲夫 京都大学防災研究所附属火山防災研究センター 特任教授
黒木 貴一 関西大学文学部 教授
黒沢 高秀 福島大学共生システム理工学類 教授
* 續ィ 光博 九州大学大学院比較社会文化研究院 特別研究者
萬年 一剛 神奈川県温泉地学研究所 研究課長
* 三浦 大助 大阪公立大学大学院理学研究科地球学専攻 教授
水平 学 ブルカージャパン XMPマネージャー
中村 俊夫 名古屋大学 名誉教授
仲村 康秀 島根大学エスチュアリー研究センター 助教
中西 利典 ふじのくに地球環境史ミュージアム 教授
根本 達也 大阪公立大学大学院理学研究科地球学専攻 准教授
西岡 佑一郎 ふじのくに地球環境史ミュージアム 准教授
奥村 勝 福岡大学情報基盤センター 教授
* 奥野 充 大阪公立大学大学院理学研究科地球学専攻 教授
坂井 三郎 海洋研究開発機構生物地球化学センター 主任研究員
* 宝田 晋治 産業技術総合研究所活断層・火山研究部門 上級主任研究員
* 遠田 晋次 東北大学災害科学国際研究所災害評価・低減研究部門 教授
鳥井 真之 熊本大学くまもと水循環・減災研究教育センター
 減災型社会システム部門 特任准教授
* 山田 和芳 早稲田大学人間科学学術院人開環境科学科 教授



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